ホーム ★ ポルトガル豆知識 ★ プロフィール ★ ポルトガル写真集 ★ 写真展案内 ★ ポー君の豆日記 ★ 今月の1枚 ★ リンク ★

(堂々たる修道院・マフラ2)
Portugal Photo Gallery --- Mafra 2

見てね  小さな画面をクリックすると、大きな画面&コメントのページになります! 見てね

マフラ1
巨大な修道院

マフラ2
フォザード

マフラ3
マフラ修道院

マフラ4
堂々たる風景

マフラ5
風見鶏

マフラ6
八重桜並木

マフラ7
路地からのぞく

マフラ8
オープンカフェ

マフラ9
レストラン

マフラ10
母娘

マフラ11
雑貨屋

マフラ12
バス通り

☆マフラの説明 (写真の上をクリックすると大きな写真が見れます。)☆
リスボンから、北西へ約40km、のどかな町に堂々たるマフラ修道院がそびえたつ。
18世紀前半、ブラジルにおけるゴールドラッシュは、富をもたらしていた。
時の国王ジョアン5世はライバル国スペインのエル・エスコニアル宮に対抗して、
また数年来の願いであった王女誕生を神に感謝する意味もこめて着工したといわれる。

「ポー君の旅日記」 ☆ 堂々たる修道院・マフラ2 ☆ 〔 文・杉澤理史 〕

  

 2004年5月3日(月)の午前中は、〔ポルトガルのヴェルサイユ〕と呼ばれ ているケルース宮殿に行った。その〔ケルース〕からリスボンのロシオ駅に戻ると 2時を過ぎていた。 ロシオ駅はケルースやシントラ方面に向かう列車発着駅。
古い駅舎で薄汚れていたが映画のセットみたいで趣があってポーは好きだった。
(改築工事が行なわれ06年6月に再オープン予定と聞く) そのロシオ駅で下車したとき、相棒の写真家が言った。
 『マフラに行こうか!』   〔マフラ〕は昨年訪れたが、激しい雨で町をほとんど見ていなかった。

 「けいの豆日記ノート」
 マフラは、前に行ったことがある。 でも、雨だった。 雨だとカメラが濡れると困るので、外では出さないようにしている。 だから、あんまり写真が撮れていなかった。 それに修道院の中の図書館が改装中で見ることができなかった。 だから少しの時間でも青空と図書館が見たかった。 それに教会の中にカメラを置き忘れしまったが、なくならなかった場所でもある。 (その話は、下の〔雨の巨大修道院・マフラ〕から見てくださいね。)

 ロシオ駅は地下鉄とつながっている。 30分ほどで9つ目の駅カンポ・グランデ駅に着く。
  (ここには大きなバスターミナルがある。昨年ガイド本で知ったマフラに行 ったときに利用したバスターミナルだ)
 バスターミナルは昨年とは雰囲気が違っていた。更に広くなっていた。 それに、駅舎の目の前にあるフットボール(サッカー)場が新装開店のパチ ンコ店みたいに輝いていた。リスボンの人気サッカーチームであるポルティン グの本拠地ジョゼ・アルヴァラースタジアムである。ポルトガル人の〈聖地〉 みたいなところだ。
 石段を昇って新装開店の建物に入ってみた。広い空間にさまざまな店がオー プンしていたが、まだ準備中の店もあった。 ショッピングセンターは広い。携帯電話のボーダフォンはご時世の勢いか かなり広いスペースを陣取り、フットボール関連の商品を扱う店はレイアウト にこっており、アイスクリーム店も色華やかに咲きそろい、レストランは入っ てみたくなるほど洒落ていた。
 競技場には入れなかったが、各ゲイトの空間から場内が見えた。 グリーンの芝生の背景には色鮮やかな観客座席が並び、花園のようであった。 一ヶ月後には、ここでも4年に一度のフットボールヨーロッパ大会が開催されるのだ。
 レイリアの町でも新しいサッカー場が建設されていたが、ポルトガル の6月は、国中がサッカー祭りで燃え上がってしまうようだ。
 ヨーロッパ各地からどっと何十万もの人々がポルトガルに押し寄せるのだか ら、国中のホテルは1年前から予約で満室だと聞く。 起点にしている安宿も来月は満室で、料金も3倍だとフロントのおばさんも にっこり微笑むほど。 そんなもの静かな歴史の国で燃え上がる市民の姿を見てみたものだと相棒も ポーも心底から思った。

 「けいの豆日記ノート」
 このカンポ・グランテ駅は、地下鉄の乗り換え駅でもあるため、にぎわっている。 リスボン市街から、少しはずれているので、地下鉄が地下を走っていない区間である。 地図でみると、リスボンの空港の近くである。 オビドスや、マフラに行くバスターミナルがあるため、何度も来ている。
 当然、トイレも何度も使った。 大きな駅のわりに女子の個室が2つしかない。 駅のトイレなので、きれいとはいえない。 それにドアのカギが壊れている。 ドアが開かないように荷物でおさえたりしていた。 できれば、入りたくないトイレだった。 だから、今回、隣にショッピングセンターができたのをみて、とてもうれしかった。 買い物をするわけでも、サッカーをみるわけでもない。 きれいなトイレに入れるからだ。

 時計を見たら、3時を過ぎていた。 慌ててバスターミナルに戻ったがバス停だらけでマフラ行きの場所が判らない。
焦る。歩いてきたポリスに聞く。彼も知らないのか止っているバスの運転 手に聞いてくれる。広くなったため行き先の発車位置が大幅に変更したようで 運転手も即答できないようだ。無線で事務所に聞く。運転手がポリスに伝える。 ポリスは走る。後を相棒とポーが追いかける。ポリスを追う日本人2人の姿は 異様なシーンだ。各バス停で並んで待つ乗客の視線をいっぱい背に感じる。 そして、ポリスは言った。
 『ここだ、』と。相棒は千代紙で作った折鶴を1羽、 若いポリスに差し出した。怪訝な表情だったポリスの顔が崩れた。
 『グロウか?!』と満面の笑みだ。
 『Sim!Sim! (はい、はい)』と頷き相棒は 『オブリガーダ!(あり がとう!)』を連発した。
困っているとき、何時も助けてくれるのは市民の優しさだった。

 「けいの豆日記ノート」
 このバスターミナルは何度も来ているはずなのに、目的のバス停がわからないというのはなさけない。 マフラ行きのバスは、普通のローカルバスなので、各駅停車のバスだ。 市民の生活のためのバスといってもいいと思う。 マフラまで、観光で行く人など見たことがない。 バス停を探してくれたポリスマンは、時計をみて、バスの時刻表をみていた。
次のバスの時間を指差してくれて、教えてくれた。 それくらい自分でわかるのにとも思ったが、親切はありがたくいただいておいた。 うれしいなあ。

 出発は20分後の3時30分だった。50分乗ればマフラだ。4時20分には マフラ修道院が目の前のバス停に着く。
入館時刻は閉館5時の30分前だから10分の余裕があった。 バスに揺られた。この揺れが魔物である。発車10分後には、相棒は夢の中 であった。乗客は5人。観光客の姿はない。 バスの車窓には高原地帯の田園風景が流れ、小高い丘の上に10基以上の風 力発電の巨大な風車がゆったり回転しているのが見える。
 坂道を下っていくと 突然あの大きな建物が目に飛び込んできた。 マフラ修道院だった。 慌ててぐっすり眠りこけている相棒をゆり起こしたが、降りる合図のボタン を押さなかったのでバス停を通り越して次ぎの終点まで運ばれた。
 『マフラについたぞ』と運転手が声をかけた。 バスに残っていたのは、我々2人だけだった。
 終点はマフラの町の中心地。人口5万人ほどの町で何処からでも修道院が見 える。

 「けいの豆日記ノート」
 普通、マフラに来た人は、マフラ修道院前で、みんな降りる。 運転手さんは、マフラまでの切符を買ったこと覚えていたのだろう。 マフラ修道院前で降りない二人を次のバス停で起こしてくれたのだ。
マフラが終点だと思っていたが、看板は〔エリセイラ〕行きとなっていた。 マフラを通ってエリセイラ行きのバスがあること、次の旅のときに役にたったのだった。 エリセイラはガイド本に載っていない町だった。 ガイド本に載っていない町は、行き方を探すのがむずかしいのだ。 転んでもタダでは、起きない・・・

 ・・・・・・・・  4月25日通りにあるトリズモ(観光案内所)で地図と資料をもらい、修道 院に急いだ。 両サイドに八重桜が咲く路地並木の先に修道院の勇姿が手招く。 入館5分前だった。どんぴしゃ、間に合った。 大航海時代の遺産マフラ修道院の入館料ひとり4ユーロ(520円)。 内部をヴァチカンのサン・ピエトロ寺院に似せて建造されたというマフラ修 道院は町の人々の誇りだと聞く。
 1713年建設開始。たずさわった作業員5万人。部屋数2000、窓や入 口の数は4500。13年の建築日数だという。 院内はピンク、青、黄、白、灰色の大理石がふんだんに使われていた。 建設当時は、植民地のブラジルはゴールドラシュ。その財力を吸収した時の 国王ジョアン5世は念願の王女誕生を記して近郊から採掘される大理石を惜し みなく使い、着工したと伝えられている。 幅220mのファサードを持つマフラ修道院は、修道院と王宮が同居すると いう珍しい修道院であった。
 300人を収容できた病院、中国風の陶器が置かれた薬院、 猟の間と呼ばれる鹿の角が飾られた食堂などがある。 いちばんの圧巻は蔵書3万6000冊を誇る図書館である。 奥行きは40mもあり、その両側にびっしりと本が並んでいる。 念願の図書館は感動ものであった。

 という予定であった・・・・・というのは・・・・・

 「けいの豆日記ノート」
 降ろされたバス停から、マフラ修道院が小さくみえた。 町のどこからでも見えるように建てられているらしい。 だから、道に迷うことはない。 街路樹に桜が植えられていた。 八重桜が満開だった。 マフラで桜が見られるとは、思わなかった。 5月はじめで八重桜ということは、寒い地方なのかなあ。 植物園に桜があるのはわかるが、街路樹になっているとはなんかうれしかった。
 マフラ修道院の前の花壇は、キンセンカの花が満開だった。 こんな花がいっぱいの時期に来ることができてよかった。 それに空が青い。うれしいな。 などなど、写真を撮りながら歩いていたら、マフラ修道院は、すっかり閉館していた。 あ〜あ 図書館、見たかったなあ。 次回に期待しようっと。

 修道院の前に並ぶ建物はカフェやレストランが並び、路地には土産店がひっ そりと息を殺すように点在していた。
長野の善光寺や浅草の仲見世、高知の琴 平、京都の清水みたいな観光地を想像すると、恥ずかしくなる。
ポルトガルの名所、観光地は何処も控えめなのがいい。 マフラ5時48分発でリスボンに戻った時は8時前だった。
足首が少し痛い。万歩計を見ると20338歩。
 帰国まで後3日の夜空に月が輝いていた。

                              *「地球の歩き方」参照*

終わりまで、旅日記を読んでくださり、ありがとうございます。 次回をお楽しみに・・・・・・・2007年10月掲載

雨の巨大修道院・マフラ ・・・ポルトガル写真集・「雨の巨大修道院・マフラ」はこちらからどうぞ

華麗な宮殿・ケルースへ ポルトガル写真集へ オビドスへ

ホーム ★ ポルトガル豆知識 ★ プロフィール ★ ポルトガル写真集 ★ 写真展案内 ★ ポー君の豆日記 ★ 今月の1枚 ★ リンク ★