ポルトのカメリタス教会の前のふたり
リスボンからセッテ・リオス・バスターミナルから高速バスで3時間30分程、
または、オリエンテ駅から特急列車で3時間でポルトに到着する。
リスボンから北へ約300km、ドウロ川北側の丘陵地に築かれた、起伏の多い街である。
人口約23万人、この国の商業の中心として栄えてきた。
フェニキア人やローマ人の時代から続く歴史が織り込まれた町並である。
ポルトは、カレ(ギリシア語で「美しい」の意味)と呼ばれており、
のちにポルトゥス(港)という言葉が加わって、ポルトゥス・カレとなり、
これがポルトガルという国名の起源となった。
14世紀から15世紀にかけての大航海時代、ポルトで生産された船団は、
ポルトガルの海軍の発展に大いなる貢献をした。
1415年に、ジョアン1世の子供であるエンリケ航海王子は、
ポルトを出発し、モロッコの地中海に面する港町セウタを攻撃した。
エンリケ航海王子によるセウタ攻略がそれ以後のポルトガルの海外への 雄飛への出発点であった。
カルモ教会 Ig. do Carmo は、サン・アントニオ大学病院の東側にある。
側面のアズレージョ(装飾タイル)がすばらしい教会である。
カルモ教会の横にあるのが、カメリタス教会 Ig. dos Carmelitas である。
2つの教会が並んで建っているのは、めずらしい。
ポルト大学やアントニオ大学病院が近くにあるので、学生が多い。
カルモ教会は壁面のアズレージョ(装飾タイル)が壮大で美しい。
隣のカメリタス教会と並んでいる。
その前の広場を自転車をおしながら話しているふたりがいた。
「大学卒業したらどうするの。」
「もちろん、就職するさ。」
「私は、大学に残って研究するわ。」
「君は優秀だからね。」
「就職試験たいへんね。」
「なんとか、がんばるさ。」
「がんばってね。」
「受かったらご褒美がほしいなあ。」
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