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愛しのポルトガル写真集ギャラリー(雨の中で見つけた傘のアーケードのヴィアナ・ド・カステロ2)
Portugal Photo Gallery --- Viana do Castelo 2

ヴィアナ・ド・カステロ2 Viana do Castelo 2 5月25日(雨・ときどき大雨)

15年前に訪れてから、なかなか行く機会がなかったヴィアナ・ド・カステロの再訪問である。
ポルトよりにあるバルセロスは、毎週木曜日に露天市場が開催されている。
ヴィアナ・ド・カステロは、金曜日に開催されることもあり、金曜日に訪れることにした。
ポルトを出るときから雨模様であったが、途中で晴れることもあるので出かけた。
近郊列車は通らないので、途中でNINE(ニーネ)でローカル列車に乗り換える。
土砂降りの雨の中、傘のアーケードを見ることができたのは、収穫であった。

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ヴィアナ・カステロ25
ヴィアナカステロ駅1・ヴィアナ・カステロ in portugal
ヴィアナカステロ駅1
ヴィアナ・カステロ26
ヴィアナカステロ駅2・ヴィアナ・カステロ in portugal
ヴィアナカステロ駅2
ヴィアナ・カステロ27
突き当りの教会・ヴィアナ・カステロ in portugal
突き当りの教会
ヴィアナ・カステロ28
日の当たらない路地・ヴィアナ・カステロ in portugal
日の当たらない路地
ヴィアナ・カステロ29
レプブリカ広場・ヴィアナ・カステロ in portugal
レプブリカ広場
ヴィアナ・カステロ30
旧市庁舎・ヴィアナ・カステロ in portugal
旧市庁舎
ヴィアナ・カステロ31
ハートのオブジェ・ヴィアナ・カステロ in portugal
ハートのオブジェ
ヴィアナ・カステロ32
教会の礼拝堂1・ヴィアナ・カステロ in portugal
教会の礼拝堂1
ヴィアナ・カステロ33
教会の礼拝堂2・ヴィアナ・カステロ in portugal
教会の礼拝堂2
ヴィアナ・カステロ34
コンセーリョ宮の門1・ヴィアナ・カステロ in portugal
コンセーリョ宮の門1
ヴィアナ・カステロ35
コンセーリョ宮の門2・ヴィアナ・カステロ in portugal
コンセーリョ宮の門2
ヴィアナ・カステロ36
芸術考古学博物館と像・ヴィアナ・カステロ in portugal
芸術考古学博物館と像
ヴィアナ・カステロ37
像のレリーフ・ヴィアナ・カステロ in portugal
像のレリーフ
ヴィアナ・カステロ38
博物館の中・ヴィアナ・カステロ in portugal
博物館の中
ヴィアナ・カステロ39
古い水飲み場跡・ヴィアナ・カステロ in portugal
古い水飲み場跡
ヴィアナ・カステロ40
海の入口の像・ヴィアナ・カステロ in portugal
海の入口の像
ヴィアナ・カステロ41
サンタ・クルス教会・ヴィアナ・カステロ in portugal
サンタ・クルス教会
ヴィアナ・カステロ42
教会の中は工事中・ヴィアナ・カステロ in portugal
教会の中は工事中
ヴィアナ・カステロ43
パルボザ広場の飾り・ヴィアナ・カステロ in portugal
パルボザ広場の飾り
ヴィアナ・カステロ44
向うにサンタ・ルジア山・ヴィアナ・カステロ in portugal
向うにサンタ・ルジア山
ヴィアナ・カステロ45
小学校・ヴィアナ・カステロ in portugal
小学校
ヴィアナ・カステロ46
社会見学・ヴィアナ・カステロ in portugal
社会見学
ヴィアナ・カステロ47
自転車の花かご・ヴィアナ・カステロ in portugal
自転車の花かご
ヴィアナ・カステロ48
ポストのある町角1・ヴィアナ・カステロ in portugal
ポストのある町角1
ヴィアナ・カステロ49
ポストのある町角2・ヴィアナ・カステロ in portugal
ポストのある町角2
ヴィアナ・カステロ50
ポストのある町角3・ヴィアナ・カステロ in portugal
ポストのある町角3
ヴィアナ・カステロ51
傘のアーケード1・ヴィアナ・カステロ in portugal
傘のアーケード1
ヴィアナ・カステロ52
傘のアーケード2・ヴィアナ・カステロ in portugal
傘のアーケード2
ヴィアナ・カステロ53
傘のアーケード3・ヴィアナ・カステロ in portugal
傘のアーケード3
ヴィアナ・カステロ54
傘のアーケード4・ヴィアナ・カステロ in portugal
傘のアーケード4
ヴィアナ・カステロ55
傘のアーケード5・ヴィアナ・カステロ in portugal
傘のアーケード5
ヴィアナ・カステロ56
傘のアーケード6・ヴィアナ・カステロ in portugal
傘のアーケード6
ヴィアナ・カステロ57
傘のアーケード7・ヴィアナ・カステロ in portugal
傘のアーケード7
ヴィアナ・カステロ58
傘のアーケード8・ヴィアナ・カステロ in portugal
傘のアーケード8
ヴィアナ・カステロ59
傘のアーケード9・ヴィアナ・カステロ in portugal
傘のアーケード9
ヴィアナ・カステロ60
宣伝カー・ヴィアナ・カステロ in portugal
宣伝カー
ヴィアナ・カステロ61
トリズモ・ヴィアナ・カステロ in portugal
トリズモ
ヴィアナ・カステロ62
トリズモのスタッフ・ヴィアナ・カステロ in portugal
トリズモのスタッフ
ヴィアナ・カステロ63
テレビ中継・ヴィアナ・カステロ in portugal
テレビ中継
ヴィアナ・カステロ64
ローカル列車・ヴィアナ・カステロ in portugal
ローカル列車

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ヴィアナ・ド・カステロ県地図
ヴィアナ・ド・カステロ県地図

ポルトの北約70kmに位置している。
ポルトのサン・ベント駅、またはカンパニャン駅から1時間半から2時間で到着する。
直通で行けるスペインまで行く便は本数が少ない。
近郊列車のブラガ行きに乗り、途中ニーネ駅で乗り換える方法もある。

ドウロ川流域とスペイン国境を流れるミーニョ川に挟まれた地域はミーニョ地方と呼ばれる。 雨が多く、緑豊かな農業地帯でヴィーニョ・ヴェルデ(緑のワイン)の産地としても知られる。 このミーニョ地方の中心であり、リマ川の河口に開けた別名「リマの女王」と呼ばれている。

1253年に、アフォンソ3世が町を建設したことに歴史が始まる。
16世紀には、ヴィアナ・ド・カステロの港は重要性を増した。
ここを母港に大航海に乗り出す航海者が多かったことを意味する。

毎年8月にはロマリア祭(嘆きの聖母巡礼祭)が行われ、民族衣装で着飾った人々が町にあふれる。

 ≪ヴィアナ・ド・カステロ2≫の手動・自動スライドショウはこちらからどうぞ!

「ポー君の旅日記」 ☆ 雨の中で見つけた傘のアーケードのヴィアナ・ド・カステロ2 ☆ 〔 文・杉澤理史 〕

≪2018紀行文・10≫
    === 第3章●ポルト起点の旅 === 小雨の中で色とりどりの雨傘が路地の空に舞っていた

          《モーニングスタイル》

 〔ホテル ペニンシュラール〕のモーニングタイムは、7時30分ピッタリにオープンだ。 その先頭で待つていた相棒のカメラマンは、扉を開ける鍵の音がして内側に開くと、係のおばさんに『ボン デイーア』と朝のご挨拶。 4人席テーブルが20ヶ所ほど配置された広い部屋の半分が観光客で埋まった。 ポルトガルの5月6月は〔ジャカランダ〕の大木に、青紫色の花が咲き誇る季節。 日本の桜の開花を狙って外国人が来るのと同じ按配(あんばい)だ。 モーニング25人ほどの中には日本人はいなかった。

 通りに面したガラス窓を雨足が時々激しく打ちつける音が心を萎縮させる。我ら〔撮影取材旅〕にとっては、激雨は御法度(ごはっと)だった。 さっきから何度となくて果物コーナーに通い詰め、西瓜の切身を運んで来てはうまそうに食べる写真家だったが、雨音には繊細的な素振りであった。 頭の中は、今日の行動目的を遂行するか否かで、推考が渦巻いているに違いない。 それとも、西瓜の旨さに浸(した)っているやも。

 日本の宿にはないモーニングスタイル、それも殆(ほとん)どのホテルで、只(ただ・ロハ)で利用できるバイキングスタイルでのサービスだ。 それもひと部屋60ユーロだとしても2人で泊まればひとり30ユーロ、3人で泊まればひとり20ユーロだし、しかも3人ともモーニングがタダ。 なんと素晴らしいスタイルだろう。

 種々のパンに、小さな持ち運び便利な容器のジャムやバターを塗り、薄切りハムや薄切りチーズを挟んで3個ほど食べても、 また飲み物(コーヒー・紅茶・オレンジジュース・牛乳・水など)は何杯飲んでも、係のおばさんはジーと黙配凝視の姿勢で見詰めているが、文句は言わない。 それが、おばさんの毎朝の仕事だった。安宿でモーニングに果物が用意されているのは珍しい。 高級ホテルのモーニングを食べたことがあるが、それはもう果物の園での朝食であった。

 ご注意願いたい。朝の出発が早くてモーニングを利用できなくても、モーニング代は金銭で戻らない。 モーニングはサービスだと認知してください。安い宿泊所だと、モーニングが付かない処もあるから事前の確認が必要だ。 野老はパンにハムとチーズを挟み、ブラックコーヒーと搾りたてオレンジジュースみたいなうまさに満足し、軽め朝食である。 殆ど西瓜で満腹になった写真家は、『予定通り〔ヴィアナ・ド・カステロ〕に決行。 トイレを済ませたら、即、出発だよっ』と、吐く。 部屋には、トイレはひとつ。 野老は、この食堂横のトイレで済ます。阿吽(あうん)の呼吸にしては、貧乏くさかった。

「けいの豆日記ノート」
 ヴィナド・カステロは毎週金曜に広場で露天市場が開催される。 途中にあるバルセロスの木曜日の露天市場がそのまま移動したものかもしれない。 なので、市場が開催される金曜日にぜひ行きたかった。 雨降りであったが、切符は昨日買ってしまった。 ひょっとしたら、途中で雨が止むかもしれないというわずかな希望を持って予定通り行くことにした。

          《改札口がないサン・ベント駅》

 宿から鼻っ先2分、第2都市〔ポルト〕の玄関口〔サン・ベント〕駅、朝9時30分。 滑り込む列車から押し出される郊外からの通勤通学の人々は、腕に雨傘を下げプラットホームからアズレージョ(装飾タイル画)が高い天井の壁一面に飾られたホールをゆっくり抜けて行く。 乗車切符や定期で、出入りする〔改札口〕が、〔鉄道〕の駅にはない。 だから、どこの駅でも自由にプラットホームに出入りできる。 それが、ポルトガルだった。 でも、〔地下鉄〕は日本でも見られる定期と切符併用の〔改札機〕が普及した。 タダ乗り乗車客防止で厳しくなった。当然である。

 ポルトガルの人は、日本人のように忙(せわ)しくない。 せかせか感がないのだ。だが、立ち話をしている人が、朝の忙しい終着駅(玄関口)でも意外と多いのに野老は気づく。 例えば、スーパーマーケットでも、レジ係と客がおしゃべり。だから、1人の客に経営的には無駄な時間が掛かる。 バス運転手が運転席で乗客に切符を売る。知り合いだと、長いおしゃべりが始まる。 切符売り場(列車、電車、バス)でも、市場、レストランや食堂、売店などお知り合いに会えば、長いおしゃべりが始まる。 順番で待つ人は、ゆったりした国民性を壊してはならない。 決して「忙しいんだ、早くせ〜!」なんて叫んではならない。 じっと待つか、ジーと耐えるか、それとも黙して列から身を引くしかない。

 9時45分発の黄色い車体の、巡礼地がある宗教の町〔ブラガ〕行きに乗った。 昨日の夕方、写真家は下調べをしてサン・ベント駅の切符売り場から買っている。 切符は車中で車掌からも買える。 切符売り場で列ができている時や、時間がないときなど便利である。 もう〔撮影取材旅〕、10回目だ。 写真家の肝っ玉に、おんぶにだっこの野老78歳(79歳まで3ヶ月)は、気まま旅をさせて貰っている。

 なにせ、切符も食堂も宿も博物館も銭(ぜに)を払ったことがない。 観光施設の入場券購入時『パスポート!』と言われたら「ホイさっ!」と即、出す。 65歳以上はほぼ半額料金だからだ。出さないと『先を読んでの行動準備不足』と、レッドカードが目の前に迫る。 2枚貯まれば、本国送還。二度とポルトガルへのお誘いの声がかからない恐れがある。

 10時40分、乗り換えのための〔NINE〕駅のプラットホームに降りる。 プラットホームは幅が30mほどの広さがあった。 写真家はローカル線に乗り換える〔ヴィアナ・ド・カステロ〕行きはどこから出るのか聞きまわっていた。 その肝っ玉は、野老にはない。 下りた〔NINE〕に着くまで、ほぼ1時間。 乗車客は満員御礼状態だった。車中の向こうは若者の団体が乗っていて騒がしかった。 野老は持参の文庫本を読んでいた。

 11時04分に、乗り換えローカル列車に乗る。乗車時間ほぼ1時間。 12時04分に目的地に着くと言う。〔NINE〕駅での乗り換え乗客は少なく、座席はガラガラ。 この天候を考えれば納得である。車窓は雨模様。車窓のガラス窓では、水滴の真横に走る競争が楽しめた。 写真家は乗車時間1時間を頭に刻み、睡魔の世界に沈んでいった。

「けいの豆日記ノート」
 切符売り場でチケットを買うと、乗り換え駅や時間が表示されていて、親切だと思った。 乗り換えがないときは車中で買ってもいいのだが、乗り換えが必要なときは、切符売り場のチケットが後々、助かることになる。 乗り換え列車がわからないときなど、このチケットを見せるのが賢明だと思う。 サン・ベント駅は引き込み線であるので、近郊列車しか始発と終着にならない。 大きな都市に行くときには、次の駅のカンパニャン駅から乗らなければならない。 この辺がよくわかってなくて、旅の初めの頃は、失敗も多かった。

          《小雨に濡れて》

 12時04分、小雨降る〔ヴィアナ・ド・カステロ〕駅に着く。 写真家は駅舎から外に出る前に、切符売り場に走り寄る。 天井が高く、床に敷き詰められたタイル模様が凄い。目が点になる。 広い床面が凄いことになっている。 右奥から幅15cmぐらいの石段が幾重にも幾筋にも、下って見える濃淡の階段模様。 目の錯覚だと分かっていても、怖い。思わず靴を恐々と滑らせてみる。 当然、上の石段のヘリに靴がぶち当たるはずなのに、まっ平らに滑って行く。 平らな床だと思ってもだ。床は床なのだった。

 〔ポルト〕に戻る列車時刻は、16時20分発だと告げられる。 帰りも乗り換えて、〔ポルト〕に着くのは18時30分。何が何でも、この時間は外せない。 駅舎から小雨の町に飛び出した。 14年ぶりの〔ヴィアナ・ド・カステロ〕だった。 「2004年4月22日、木曜日」。声を出して言ってみれば分かる。 響きのゴロが、いい。フィルム撮影時以来だった。 野老には、14年前の町中の記憶がほとんど消滅していた。 しかし、どれほど素敵な風光明媚な土地だっということは、我ながら鮮明に覚えているのが不思議だ。

 小雨散る古典的2階建駅舎前に立つ。2階に5つの格好が良い釣鐘型のガラス窓。 その中央の丸い時計盤は、12時10分。 石段を5段下がって石畳の小さな広場。その階段中央に石造り台座があり、その上で民族衣装の男と女が踊る濡れて光る銅像が目を弾く。 毎年8月の第3週には〔ロマリア祭〕と言う「嘆きの聖母巡礼祭」が行われ、民族衣装で着飾リ踊る人びとで町は溢(あふ)れるという。

 5月25日(金)の午後の今日。 銅像の周りに飾られた薔薇のオブジェが雨で濡れ、ゴミのようにべったり崩れていた。 それも、仕方ない。雨が多いこの地方〔ミーニョ〕の恵みの雨だった。 この後、小雨に濡れながら辿(たど)り着いた〔トリズモ・観光案内所〕で聞いた情報がある。 駅前の薔薇の飾り物や街中で見るであろう薔薇のオブジェは、5月の第2週末に、ここから10kmほど離れた〔VILA FRANCA DE LIMA〕で、 〔バラ祭り〕が開催され、ミーニョ地方の美しい民族衣装とボンボと呼ばれる太鼓で祭りを盛り上げたと聞く。

 我らが行った日は、前述したように5月25日。祭りがあった日は、5月の第2週末。それは、5月12日(土)だった。 思わず野老は、声を遠慮なく発した。「オ〜! ノ〜!」と。 祭りだけは偶然で撮影ができない。ポルトガルの人々とその生活の取材が目的だった写真家は野老より地団駄踏んだのだった。 2週間前だった・・・。 雨でショボくれた薔薇のオブジェは、「早く片付けてやってよ、寒そうだぜ」と、野老は素直に思った。

「けいの豆日記ノート」
 ヴィナド・カステロについても雨は止まず、ますます強くなってきていた。 赤いレインコートの中にしっかりとカメラを入れ込んだ。 一眼レフのカメラが濡れて壊れたりすると困るので、撮影は小さなコンパクトカメラだけにした。 とりあえず、トリズモ(案内所)に向かい地図をもらおうと海へ向かって歩いた。 トリズモの前には、ブドウ棚が作られていた。 中に入ると、若いスタッフが6人もいた。 普通のトリズモだと、スタッフは2人くらいしかいない。 自転車が置いてあったので、貸自転車もしているのだと思う。 いつもあげる折鶴はここでも好評であった。

          《14年前の記憶》

 小雨降る駅前の小さな広場から、両サイド街灯が連なる広い歩道の目抜き通りをまっすぐ700mほど歩けば、 〔リベルダーデ広場〕にトリズモ(観光案内所)があり、その先に〔リマ川〕が滔々(とうとう)と流れる。 その〔トリズモ〕前から振り向けば、駅舎の建物のやや右手後方奥に小高い〔サンタ・ルジア山〕が見え、その山頂に威風堂々とした〔サンタ・ルジア教会堂〕が拝(おが)める。 しかし、今日は見えなかった。 小雨で霞(にじ)んで、見える筈もなかった。 14年前に登った記憶が、ありありと青年のごとくの脳が反応した。

 始めての土地に来たら、まずその町の一番高いところを探し登ってみることが鉄則だ。 それがいつもの撮影取材旅での礼儀的行動だった。 標高249mを登る方法は当時三つあった。ケーブルカーにタクシー、それに歩行。 写真家は当然のごとく、文句なしに歩行を選択。 節約家の写真家はケチでは無い。足の歩行での取材撮影を重視する写真家である。 特に現地での人物撮りを得意としている写真家だった。 この10年でポルトガルで撮った人物は1万人を楽に越しているかもしれない。

 14年前の5月は、まだ64歳、若かった。狭い山道は地肌と地肌に丸太で仕切った階段状を登る。 野老には、特技があった。階段を上ると勝手に脳の一部に置いてある我が愛用のカウンターが計量を始める。 一段踏み込んだ途端、脳の中でカチッ・カチッ・カチッ(1・2・3)と登る数を正確に刻み出す。 ひと休みするたびにカウンターは止まる。538段目を踏み込んだらそこはコンクリート道路。 タクシーが目の前を通過した。道を横切り、その先の階段を一息ついて登る。 写真家の姿はとっくに視界から消えていた。

 標高249mの頂上到達673段目からの〔ヴィアナ・ド・カステロ〕の俯瞰景観は、絶品の景勝だった。 第2都市〔ポルト〕に流れ下るドウロ川流域とスペイン国境を流れるミーニョ川に挟まれた地帯がミーニョ地方でと呼ばれ、この地域は昔から雨が多く、 農業に恵まれた地域でだ。 特に〔緑のワイン〕の生産地として名高い中心地であり、大西洋に流れ下るリマ川の河口に開けた歴史に残す美しい町が〔ヴィアナ・ド・カステロ〕であった。 この町にも大航海時代の残像が色濃く残っている。 15世紀には遠洋漁業で栄え、16世紀は大航海時代の船と船員の供給地、18世紀に〔ポルト〕が興降するまではワイン取引の中心地だったという。

「けいの豆日記ノート」
 予定では、このサンタルジア教会に登るはずであった。 以前、ケーブルカーは工事中であったので、階段と山道を歩いて登った。 今回は、ケーブルカーに乗り、上まで登ろうと思っていた。 さすがに、老体に階段は無理だと思ったのもある。 この雨では、上まで登っても何も見えないだろう。 なので、登らずに帰ることにした。 ガイド本には、雨の多いミーニョ地方と書かれていたが、実際に雨だとテンションが下がるのである。

          《赤 青 緑 白 黄色の雨傘》

 そんな歴史を残す町中の中心に16世紀に作られた大噴水がある〔レプブリカ広場〕。 目の前にゴシック様式の16世紀建造の〔旧市庁舎〕。 その左に〔ミゼリコルデイア教会〕ルネッサンス様式のこれも16世紀建造で、内部の壁や天井は全てアズレージョの青い色合いに見入ってしまう。 右手に〔カテドラル・大聖堂〕だ。14世紀から15世紀に建造で、ロマネスクとゴシック様式が壮観であった。 小雨の中を見て回ったが、14年の歳月で殆ど初めて見たような感触に、野老も歳の積み重ねに唖然とせざるを得なかった。

 写真家の弾ける声がした。えっ、小雨の中で事件!と、相棒が消えた路地に飛び込んだ。 野老も「お〜!」と声が出た。狭い狭い濡れた石畳の路地の天空に舞う色とりどりの雨傘が遙か先まで連ねていた。

「けいの豆日記ノート」
 アンブレラのアーケードをここで見れるとは、思っていなかった。 雨が小降りになってきたので、1眼レフのカメラを取り出し、撮影にかかった。 「晴れていると、日光に傘の色が透けて、もっときれいだろうに。」と思いつつ、それでも見れてよかったと思う。 アゲダのアンブレラアートが有名だが、開催の時期ではなく見れそうになかった。 思ってもみなかったヴェアナ・ド・カステロで見ることができ、不幸中の幸いという感じであった。

 大学の町〔コインブラ〕がある中部地方の〔アヴェイロ〕の近くに〔アゲダ〕という町がある。 2006年から始まり、雨傘のパホーマンスが今や世界的にも人気爆発した、毎年7月から9月までのフェステバルだ。 そのパクリであったが、小雨の中だから一層華やかな色合いで楽しめた。石畳の水溜りに雨傘が舞って見えた。

●漢字に(・・・)と読みを容れていますが、読者の中に小・中学性の孫娘達がいますので了承ください。(野老)●

                              *「地球の歩き方」参照*

終わりまで、ポルトガル旅日記を読んでくださり、ありがとうございます。
・・・・・・・今回分は2019年5月に掲載いたしました。・・・・・・・

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2012−20話
マフラ3&エリセイラ2
Mafra 3 & Ericeira 2

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リスボン5
Lisboa 5
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カスカイス2
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